
数ある工作機械メーカーの中でも、森精機は内製化率の高いメーカーと言えます。
主軸、ボールねじやカービックカップリング、DDM™(ダイレクト・ドライブ方式モータ)などの精度に関わる重要部品から、鋳物や板金など工作機械の基盤を支える部品まで、より多くのものを内製化することで品質を最大限に高め、納期を飛躍的に短縮しています。こうしたなか、総合生産拠点となる伊賀事業所では、2006年に鋳物工場、ボールねじ工場、主軸工場、板金工場を相次いで立ち上げました。中期経営計画で掲げる「月産800台生産体制の確立」を目指して、2007年はこれらの工場が本格稼働してまいります。

工作機械の基幹部品として、加工や組立時に、高い精度が求められる主軸。伊賀事業所では、2006年8月から主軸専用工場を立ち上げ、新たな生産体制がスタートしました。これまで主軸の製造工程は精密棟と第2工場に分散していましたが、室内外の温度差が大きい夏や冬には、主軸部品を第2工場へ運び出す際、精度に影響が出るおそれがありました。そこで一定の室温が保てる精密棟を主軸工場に変更し、部品加工から組立、検査まで集約。これにより加工直後の部品精度を最終工程まで維持できるようになりました。
また主軸ユニットの組立は温度・湿度・塵埃を厳密に管理したクリーンルーム内で行っています。最終工程においては、主軸運転台を使って出荷検査さながらの最終チェックを全数で実施。同時に慣らし運転を行い、異常の早期発見に努めています。こうした取組みにより、2007年度には月産能力を現在の850本から約30%向上した1,100本へ引き上げていく予定です。

森精機の独自技術を代表するDCG®(重心駆動)。この技術の核となる機構が、送り軸にボールねじを2本使用したツインドライブです。ツインドライブを製品化するにあたって、ボールねじには品質・コスト・納期のすべてにおいて、高い水準が求められてきますが、森精機ではボールねじを内製化することで、これらの課題をクリアしています。定尺素材の切断から高周波焼入れ、研削加工・ボールねじユニット組立までカンバン方式を採用して一貫生産を行い、標準品は7営業日で完成。全数リード精度を測定し、品質保証を行っています。現在の生産数は、出荷する機械の約8割にあたる約2,400本/月です。このたびの主軸工場の立ち上げに伴い、ボールねじに関しても専用工場化しました。今後も雄ねじ研削盤などの設備増強を行い、生産能力を高めてまいります。

2006年8月には板金工場、10月には鋳物工場を新設し、本格稼働をはじめています。設備機械を増やした板金工場は従来と比べて加工能力を5.5倍、塗装能力を7.7倍に増強。24時間稼働を行い、従来1週間かかっていた工程を3日間に圧縮します。一方で、試作機開発の短縮を目的とした鋳物工場は、5トンの溶解炉を備え、月間生産能力200トンを確保しています。従来は鋳物の納期が、試作機の開発期間を短縮するうえで課題でしたが、森精機の鋳物工場では納期短縮に適したフルモールド法を採用。木型を使わず発泡スチロール模型を使用する鋳造法で、試作品や単品の製造に最適です。木型法では1.5ヶ月かかっていた鋳物の納期を2週間に短縮でき、集塵などの環境対応にも優れています。
ここではほんの一部しかお伝えできませんが、伊賀事業所は開発・製造・サービス・教育など総合拠点としての機能を有し、そのすべてにおいて最先端の取組みを行っています。高品質なMORIブランドを支える“世界のIGA”へ、ぜひ工場見学にお越しいただき、最先端に触れてみてください。
| DDM™ |
: Direct Drive Motor |
| DCG® |
: Driven at the Center of Gravity |

工作機械の性能を飛躍的に高めるDDM™。森精機の独自技術である当モータも、自社内生産により防水性・防塵性などの検証を厳格に行い、信頼性の高い機構を実現しています。
DDM™: Direct Drive Motor