ニュース/森精機トピック

ニュースレター| Vol. 9 No. 1 February 2004
品質保証部の設置を皮切りに、
全社を上げて品質マネジメントを推進。
どれだけ工作機械が進化しても、お客様の第一のニーズは、マザーマシンとしての品質と信頼性であることに揺るぎありません。昨年、伊賀・奈良・千葉の3事業所での国内生産体制を新たにスタートさせた森精機では、いま一度、モノづくりの原点とも言える「品質」に関する考えを見直し、全社的なアクションへとつなげていく時期を迎えています。

2003年は森精機にとって、DCG™理論に基づいた革新的なマシニングセンタを世に送り出した年であり、技術面で大きなターニングポイントともなる年でした。そして2004年は、その技術を複合加工機へと展開していく年となります。そのためには、新技術によるメリットをお客様にご提供していくだけでなく、ベースとなる品質面を今以上に高め、総合的にご満足いただける機械としてお届けする必要があります。

より総合的な品質を
求められてきた工作機械。
ところで、工作機械にとって「品質」とは何をもって品質と言うのでしょうか。ひと昔前までは、「故障しないこと」という答えで正解でした。しかし最近ではトータルクオリティと呼ばれるように、機能・性能・価格・納期・環境対応など、すべてを含むものとなっています。まさにお客様の要求すべてが品質であり、使って良かったという感動を与えられるかどうかも品質の指標となります。またお客様の品質要求は、製品だけではなくサービスや情報の質にまで広がり、これらの成果物を生み出す「プロセスの質」にまで認識が高まっています。森精機では製造現場のショールーム化を推進していますが、お客様に工場を見学していただく理由はここにあるのです。
例えば自動車を購入する場合、デザイン(感動)、乗り心地や操作性(機能)、トルク・燃費あるいは頑丈さ(性能)、コスト(価格)、安全性などを確認されると思います。購入後、満足すれば次も同じメーカーを選択されることでしょう。品質は、すべて「顧客視点」で評価されています。その点、森精機は、お客様の望まれる品質のさらに上を実現することを目指して企業活動に取り組んでいきたいと考えます。
このような品質向上の考えのもと、昨年の11月に社長直轄の組織として設置したのが、品質保証部です。これまでは品質保証グループとして開発・製造本部技術ビジネスユニットの中にあり、ISO9001取得の推進や品質システムの構築を行ってきました。また製品検査を一元管理し、100時間ランニング運転を徹底することで製造品質の向上に努めると共に、品質工学の導入を行いロバスト性の高い設計手法を展開・推進してきました。これらによって品質システムは既に完成していますので、新組織では仕組みの運用を強力にマネジメントしていくことに重点を置いて取り組んでいきます。当然、組織改革は手段に過ぎませんので、慣習にとらわれることなく、社員全員の品質意識を改革し、いかにして品質を完璧なものにしていくかを一人ひとりが考える集団となるように、プロセス重視で進めていく所存です。品質保証部では、以下のマネジメントを進めていきます。
1. 完璧な設計品質
  1. 「すべての源流は設計にあり」と言われるほど、設計は重要な要素となります。量産移行前に試作機の評価を徹底的に行い、試作機の完全な作り込みを行います。そしてユニットでの検証徹底と評価検証用の試作機を必ず3台以上製作することを義務付けます。1台目は精度検証(チューニングを含む)、2台目はスペックを上回る条件での耐久検証、3台目は油漏れ、操作性、ソフトウェア検証、破壊テストをコンカレントに行い、リリースまでの期間を短縮。当然、それに合格しなければ量産移行は行いません。
  2. お客様の立場に立った厳密な初品チェックの実施を監査します。試作機ですべてのオプションを装備できない場合、量産に入って初品が発生します。この初品の検証不足を皆無にしていきます。
  3. 設計品質に関連するPPR (製品プロブレムレポート)のPDCA(継続的改善)を厳密に遂行し、確実に再発防止できるまでフォローアップします。
  4. 品質工学を設計ツールとして使えるまで継続展開します。
切削試験。
あらゆる活動において、
品質マネジメントを実施。
伊賀事業所の開発センタ。
試作機の製作について
2. 完璧な製造品質
  1. 100時間ランニング運転の100 %達成だけでなく、発生した問題の真因追究を義務付けます。緻密にPDCAを遂行する習慣を付けます。
  2. 品質は2S (整理・整頓)から始まることを徹底的に指導します。
3. 完璧な購入品品質
  1. ISOに基づき購買業務の監査と指導を行います。
  2. 不具合対策書のPDCAを習慣付けます。
2Sが実行された
伊賀事業所の生産現場。(上)
千葉事業所の精密測定室。(左下)
4. 完璧な顧客満足度の追求

お客様の要求が、品質への要求であると判断していますので、もしも各部からお客様へ不具合見解等で出張者が出る際には、品質保証部の担当者も同行し、お客様が何を不満に思われ、何を望んでおられるのかを把握し、社内展開を図っていきます。
実際、工作機械業界は品質面で自動車業界や家電業界の域に比べて、まだまだ未成熟の部分を残しています。しかし近い将来、お客様のニーズは必ず同水準まで高まるに違いありません。森精機では、これまでの工作機械業界の常識で考えるのではなく、工作機械のモノづくりの源流が変わったと実感いただけるほど、圧倒的に品質を高めていくことを今年度の目標としていきます。そのために大切なのは、お客様を主体に考えていく社風です。製造、開発担当者は、普段私たちがさまざまな消費生活で受けた以上の、最高のサービスをお客様にお届けすること。そして営業担当者はネゴシエーション(交渉)からコラボレーション(協力)の意識へと転換し、お客様の生産性改善のために尽くす姿勢を強めていくこと。さらに伊賀、奈良、千葉の各事業所が対等の関係として競い合うことで、お客様へのサービス、品質を向上させる良質な環境を作りあげたいと考えています。

納入後も品質向上への
取組みは続きます。
レーザー測定。
製品検査。
「私たちは、独創的で、精度良く、頑丈で、故障しない機械を最善のサービスとコストで顧客に供給することを通して、旋盤、マシニングセンタ、複合加工機、研削盤で、グローバルワンを目指す」。これは、森精機の経営理念の第一項です。ここで謳われているのは、まさにトータルクオリティの追求に他なりません。世界中のお客様から「森精機の機械なら安心できる」「使ってよかった」「儲けさせてもらった」とおっしゃっていただける会社となるよう、全社員が製品とサービスの品質を追求していきます。

今年は新たなCNC旋盤シリーズと複合加工機シリーズを発表する予定です。これらの機械を通して、圧倒的な品質をお客様にお届けできることと社員一同が確信しています。2004年の森精機にも厚いご期待をお寄せ賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

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